デクラン・ライスが82分に見事な同点ゴールを決め、アーセナルはアリアンツ・アレーナで行われたチャンピオンズリーグでバイエルン・ミュンヘンと2-2で引き分けた。
アーセナルはリーグフェーズとグループステージを通じて14試合ぶりの敗戦に向かっていた。そこでノニ・マドゥエケとヴィクトル・ギェケレシュが絡む流麗なパスワークから、ライスがボックス内へ走り込み、鋭角からマヌエル・ノイアーの脇を抜く冷静なシュートを沈めた。
先制点を挙げたのはエベレチ・エゼだった。負傷したブカヨ・サカに代わって途中出場し、マルティン・ウーデゴールのパスから決めた。サカの負傷について、ミケル・アルテタ監督は試合後に「まったく良さそうには見えない」と語っている。その後、バイエルンの反撃を引っ張ったのがハリー・ケインだった。
元トッテナムのストライカーであるケインは、月曜日に行われるバロンドール授賞式で有力候補の一人に挙がっている。まず絶妙なスルーパスでアルフォンソ・デイビスの同点弾を演出した。さらにユリエン・ティンバーのハンドで得たPKを自ら決め、2点目を奪った。
ケインが記録を更新
このゴールはケインにとってアーセナル戦22試合目での16点目となった。さらに、クリスティアーノ・ロナウドに次いで、チャンピオンズリーグ10試合連続ゴールを記録した史上2人目の選手になった。
バイエルンは出場停止のマイケル・オリーズと、家族に不幸があったヨシュア・キミッヒを欠いていた。それでも多くのチャンスをつくった。なかでも最大の決定機は、ダビド・ラヤが至近距離からのデイビスのヘディングを見事にかき出して防いだ。
アーセナルもサカを失いながら脅威を与え続けた。後半にはブルーノ・ギマランイスのヘディングがゴールラインを越えかけたが、ノイアーが素晴らしいセーブで阻止した。
その直後、ケインのシュートがティンバーの腕に当たり、ケインがPKを決めた。しかし劇的な夜の最後を締めたのは、イングランド代表で同僚のライスだった。
分析:アーセナルがスタイル批判に回答
アーセナルはノッティンガム・フォレストに1-0で勝った後、プレースタイルへの批判にさらされた。欧州屈指の難しいスタジアムで見せたバイエルン戦のパフォーマンスは、その批判に対する格好の回答になった。
アルテタ率いるチームは引いて守り、ホームでリーグフェーズとグループステージを通じて39試合負けていないバイエルンを苦しめようとする、と多くの人が予想していた。ところがアーセナルは真っ向から打ち合った。
ホームのバイエルンには、アルテタが望んだ以上のチャンスを許した。ただ、アーセナル自身も多くのチャンスをつくり、序盤から最後まで攻撃への意欲を示した。その粘りが、ライスの見事な同点弾で報われた。
アーセナルはバイエルンの本拠地で、シュート数でもボール支配率でも相手を上回って試合を終えた。ノイアーの好守がなければ、勝利を手にしていてもおかしくなかった。
サカの負傷にアーセナルは「懸念」
サカはパスを出そうとした場面で負傷し、大腿四頭筋の問題と確認された。この負傷がアーセナルにとって夜の影となった。アルテタ監督は試合後のインタビューで、クラブの医療スタッフが心配していることを認め、記者会見でも同様に悲観的な見方を示した。
「彼らは少し懸念している」とアルテタ監督は語った。「鋭い痛みを訴えて交代しなければならない選手が出るのは決して良い知らせではない。ただ、様子を見るしかない」
記者会見では次のように付け加えた。「残念だが、こういうことは起こる。まったく良さそうには見えない。それでも様子を見なければならない」
アーセナルはすでにクリストス・ツォリスを負傷で欠いている。そのためバイエルン戦のベンチには、エゼ以外のウイングの選択肢として16歳のマックス・ダウマンしかいなかった。
土曜日のエバートン戦は、11月の代表ウィークまでの5連戦の初戦になる。11月1日にはアンフィールドでのリバプール戦も控える。サカが出場できるかどうかは、まだ分からない。
アルテタ「特別な」パフォーマンスを称賛
アルテタ監督は試合後のインタビューで次のように語った。「なんという試合だ。我々がこれまでに見せたなかでも最高レベルの一つだった。相手のレベル、試合が求めるもの、そして我々のレベルのすべてにおいてだ。
互いに絶えずプレスをかけ合い、攻撃し、プレーしようとする2チームだった。魅力的な試合だったと思う。
我々は信じられないほど良い入りをした。圧倒的に主導権を握っていた。先制点に値するプレーはすべてやったが、ゴールは奪えなかった。そしてブカヨを失った。彼は素晴らしい試合をしていたのに。
我々は適応しなければならなかった。コーナーキックの後にゴールを奪われかねないチャンスを与え、その後に失点した。後半は非常に互角の展開になった。向こうが2点目を決め、我々は反応しなければならなかった。実際、チームの精神力とゴールの質で見事に応えた。
我々がやったことは素晴らしい。私は過去3年間、彼らがここで戦った試合をすべて見たが、どのチームも多くのゴールで叩きのめしている。だから、選手たちが今夜やったことが特別だと十分に理解しているし、高く評価している」
ケイン「アーセナル相手だと、いつもPKを得られる」
バイエルンのケインは試合後のインタビューで次のように語った。「少しは残念だが、引き分けは妥当な結果だったと思う。
我々は勝ち切れそうなチームに見えた。その後、相手にプレッシャーをかけられてゴールを許した。
あまり落胆しすぎることはない。勝ち点1を受け入れて、前に進む」
PKについては、こう話した。「絶対に外さないとは言えないよ! PKには多くの練習と努力が詰まっている。得点者に名を連ねられてうれしい。アーセナル相手だと、いつもPKをもらえるみたいだ!」
ミュンヘンでの主な場面
10分:負傷! サカが左太もも付近を痛めたように見え、エゼと交代した。
20分:セーブ! アーセナルが初めて崩され、ラヤがセルジュ・ニャブリのシュートを防いだ。
25分:ゴール! エゼのゴールは当初オフサイドと判定されたが、VAR確認でウーデゴールのパスの時点でオンサイドと認められた。
35分:ゴール! ケインの見事なスルーパスをデイビスが決め、バイエルンが同点に追いついた。
48分:セーブ! コーナーキックからのギマランイスのヘディングがゴールラインを越えかけたが、ノイアーが辛くも防いだ。
50分:またもセーブ! ラヤが右へ飛び、ゴールライン上でデイビスのヘディングをかき出した。
61分:ゴール! ティンバーのハンドで得たPKを、ケインが冷静に決めた。
82分:ゴール! アーセナルの緻密な組み立てから、ライスが豪快に決めて同点とした。
89分:チャンス! ティンバーがボックス外から強烈なシュートを放ち、ノイアーが試合終盤にセーブを強いられた。